The Sound Ⅱ

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AlbumApr 08 / 202010 songs, 35m 21s
Emo Alternative Rock

アーティストとしてのプライド、但し生活の中で生まれる葛藤との矛盾が「The Sound II」にセパレートされず詰め込められる。 学生時代のようにはいかない。けれども、だからこそ生まれた楽曲が躍動する。 ボーカル小高の放つメロディは過去のバンドを超越したオリジナリティで昇華する。個々のプレイヤーとしての主張を殺す事なく楽曲を彩る無駄のないアレンジ力は、個々のアイデアの豊富さやセンスを感じとる事ができるだろう。 演奏に着眼すれば、フックの効いたフレーズの連鎖が絡み合う。今作はベース平が加入後初のアルバムとなり、レコーディング、ミックスエンジニアを平が勤め上げる。セルフプロダクションによる細部への拘りが、よりダイレクトに伝わるだろう。 M1 snowmassは彼らを象徴するメロウなアンサンブルと心地よいリズムにその景色を浮かべよう。M2 intense blueは、西海岸のエモを彷彿させる爽快なイントロから一気に哀愁へと落とし込み、エモーショナルに畳み掛ける。ライブでは彼らが進化を続けてきた証明となるキラーチューンとなるだろう。M9 the ocean was calmは、駆け抜ける三拍子と共にリードギター荒川の抜群のチョーキング、アルペジオ、ソロが轟く。強要されたシンガロングとは一線引いて、各々の楽しみ方でいいだろう?彼らはシンガロングを望む上で、遥か遠い場所で聴く君達とも共有できるはずだ。 BluebeardやAs Meias、NAHTといった国内のバンドは勿論、Jimmy Eat World、Dashboard Confessional、Leiah、Saosin、Finch、Thursdayといった90~00年代のエモ、ポストハードコアの道標を辿る。EMOと呼ばれる音楽に対する決してぶれる事のない執念。 basementやgatesといった現行バンドから刺激を受ける事により、辿り着いたサウンド。リヴァイバルブームとの距離は保ち、信じ続けたオルタナティブロックとしてのプライドを歴史に刻む。